菊を庭に植えてはいけない理由は
- 葬儀やお供えに使う縁起が悪い花だから
- 「国花」/「皇室の紋章」の花だから
- 花の色によっては悪い花言葉があるから
- 繁殖力が強く隣家にまで進出するから
- 害虫が付きやすいから
という5つです。
日本の葬儀や仏前には欠かせない花、それが菊。
お墓参りのたびに買うのはムダだから、庭で育てたい人もいるはず。
しかし、一部の人たち(特に年配の人)からは
菊なんて庭に植えちゃダメだよ!
なんて注意する声も聞こえてきます。
そこで今回は
- 菊を庭に植えてはいけない理由
- 菊を庭に植えるメリット
- 家庭で育てる際の注意点
を解説します。
ガーデニングが趣味で菊も育てた経験がある私がお届けしますね。
菊を庭に植えてはいけない5つの理由
菊を庭に植えてはいけない5つの理由をそれぞれ分けて解説していきましょう。
葬儀やお供えに使う縁起が悪い花だから
菊を庭に植えてはいけない理由のひとつは「葬儀やお供えに使う縁起が悪い花だから」です。
菊は日本の文化において「死」や「悲しみ」と関連付けられることがあります。
墓地や葬儀で使われることが多く、故人への供養や哀悼の気持ちを表す花として使われてきました。
庭は生活の場でもあるため、悲しみや死と関連する花を植えることは忌避される傾向があります。
特に年配の人がいる家庭では、菊を庭に植えることは死を招くような失礼な行為とみなされることもあるでしょう。
「国花」・「皇室の紋章」の花だから
菊を庭に植えてはいけない理由のひとつは、「国花」・「皇室の紋章」の花だからです。
菊は日本の国花であり、また日本の皇室の紋章にも使われています。
これらの要素から、菊は日本の歴史と文化において特別な意味を持っています。
国花である菊は、国を象徴する重要な花。
そのため、一般の庭に菊を植えることは、一種の敬意を欠く行為として忌避されることがあります。
特に日本の伝統的な家庭では、国の象徴としての意味を考慮し、菊を庭に植えることは慎重に検討されることでしょう。
また、菊は皇室の紋章にも使われています。
皇室との関連から、一般の人々が菊を庭に植えることは避けられることがあります。
特に伝統的な考えを大切にする年配の人にとって、菊を庭に植えることは敬意を欠く行為として忌避されることもあるかもしれません。
花の色によっては悪い花言葉があるから
菊を庭に植えてはいけない理由のひとつは、花の色によっては悪い花言葉があるから」です。
菊は多くの色や品種があり、それぞれの花には異なる花言葉が存在します。
もっとも一般的な「白」の菊の花言葉は
- 「高貴」
- 「高尚」
- 「高潔」
と素晴らしいものばかり。
しかし、黄色の菊は
- 「破れた恋」
- 「軽んじられた恋」
と、ちょっと穏やかじゃない意味を持ちます。
結婚前の男女が住む家にはふさわしいとはいえませんね……。
庭に植えられる花には、明るくポジティブな意味を持つものが好まれるため、色によっては避けられるのでしょう
繁殖力が強く生息範囲を広げるから
菊を庭に植えてはいけない理由のひとつは「繁殖力が強く生息範囲を広げるから」。
菊は非常に繁殖力が強い植物であり、一度庭に植えると容易に広がってしまいます。
根が広がりやすく、種子も風によって運ばれて庭の外にも広がることも……。
いわゆる「こぼれ種」で勢力を広げるタイプ。
この繁殖力の強さによって、隣家の庭や公共の空間にまで菊が広がってしまうことがあります。
こんな性質のために
- 隣近所とのトラブル
- 庭のメンテナンスが難しくなる
- 他の植物や庭のデザインと調和しない
- 庭の美観を損ねる
といった原因になりかねません……。
害虫が付きやすいから
菊を庭に植えてはいけない理由のひとつは「害虫が付きやすいから」。
菊には特に
- アブラムシ
- ハダニ
などの害虫がよく発生します。
アブラムシは新芽に付くことが多く、新芽が養分を吸収するだけでなく、ウィルス病を伝染させることもあります。
ハダニは夏場に特に大量発生しやすく、葉を吸汁して弱らせることがあります。
これらの害虫によって菊の健康状態が悪化し、葉や花が傷んだり、庭の美観が損なわれることも……。
また、害虫が周囲の植物にも広がることがあり、庭全体の植物に被害を及ぼすこともあります。
菊を庭に植えるメリット
一部で「ダメダメ!」と言われる菊ですが、庭に植えるメリットもちゃんとあります。
だからこそ、たくさんの人が庭で育ててるんですね。
そんな菊を植えるメリットをご紹介します。
逆に縁起が良い花だから
菊には、季節の折々やお祝いの場面で活けると縁起が良いとされる意味があります。
例えば、お正月には松や千両とともに菊の花を飾りますよね。
端午の節句やお月見、七五三などの節句や行事の際にも菊を活ける習慣も!
「菊を飾ると福が来る」とされるように、福を招く花としても重要な意味を持っています。
菊には多くの色や品種があり、美しい花姿が楽しめることも魅力のひとつ。
菊の花は耐久性にも優れ、長持ちするため、庭や花壇に植えると長期間にわたり美しい姿を楽しむことができます。
また、菊は繁殖力が強く、育てやすいことも特徴です。
初心者でも手入れが比較的簡単であり、庭に菊を植えることで庭全体に華やかさをもたらすことができるでしょう。
これらの理由から、菊を庭に植えることは日本の伝統と縁起の良さを感じさせる素晴らしい選択と言えます。
お盆やお墓参りの「仏花」としてお供えに使えて節約になる
お盆やお墓参りでは、故人への思いを込めてお花を供える習慣がありますが、毎回市場や花屋で新たな花を買うのは費用がかかります。
そこで、庭に菊を植えておくことで、お盆やお墓参りの際に自宅から手軽に菊を採ることができます。
そのため毎回お花を買わなくても良くなり、お金の節約になります。
また、菊は花が長持ちするため、庭に植えておけば季節に合わせて切り花としても重宝します。
このように、庭に菊を植えることで、お盆やお墓参りの際に手軽に仏花として使えるだけでなく、経済的な面でも節約につながることが挙げられます。
菊を家庭で育てる際の3つの注意点
菊に対しては「良いイメージ」を持つ人、「悪いイメージを持つ人」がいるのは事実。
また、繁殖して広がったり害虫を呼び寄せる実害もあります。
ですから、植える際には以下の3点の注意が必要ですね。
反対する人がいないか家族で相談する
庭に菊を植える際には、家族の意見や感情を考慮することが重要です。
菊に対する意見や感情を聞き、同時にこちらの「菊を庭に植える意図」を理解してもらうことも大切。
反対意見がある場合は、他の花や植物を植えることを検討することも良いでしょう。
庭に植える植物は家族や周囲の人々と共有するものであり、皆が納得して楽しめる選択をすることが望ましいです。
黄色の花の菊は避ける
菊の花には色によって花言葉が異なり、黄色の菊は「破れた恋」「軽んじられた恋」といったネガティブな意味を持つことがあります。
一般的に庭に植えられる花には明るく、ポジティブな意味を持つものが好まれます。
しかし、黄色の菊を庭に植えると、その花言葉の意味を知っている人からはネガティブなイメージを抱かれる可能性が……。
思春期の子供は迷信じみたことでも敏感に反応するかもしれません。
菊には多くの色や品種がありますので、他の色の菊を選ぶことで、庭に菊の美しい姿を楽しむと同時に、家族にも良い印象を与えることができるでしょう。
狭い庭なら鉢植えで育てる
菊は繁殖力が強く、庭のスペースを広く必要とすることがあります。
狭い庭では菊が他の植物に広がってしまう可能性がありますが、鉢植えにすることでコントロールしやすくなります。
菊をデッキやベランダなどに鉢植えで置くことで、庭のデザインや空間をより美しく演出することができるでしょう。
また、鉢植えは移動が容易なため、季節によって菊の配置を変えることも可能。
花が咲く季節は室内に取り入れて、それ以外の季節は外で管理したりできるため鉢植えは非常に便利です。
さらに、鉢植えならば管理がしやすいという利点もあります。
菊は適切な剪定や水やりが必要ですが、鉢植えならば手入れが簡単にできます。
狭い庭で菊を楽しみたい場合は、鉢植えで育てることで庭のスペースを有効活用し、菊の美しい花を楽しむことができるでしょう。
まとめ
菊を庭に植えてはいけない理由はこの5つでした。
- 葬儀やお供えに使う縁起が悪い花だから
- 「国花」/「皇室の紋章」の花だから
- 花の色によっては悪い花言葉があるから
- 繁殖力が強く隣家にまで進出するから
- 害虫が付きやすいから
しかし、菊自体に悪いイメージを投影するのもその人次第。
植える人(またはその家族)が「菊は美しい」・「死を連想するなんてナンセンス」と思えばまったく関係ありません。
ちょっとした実害さえ気をつければ、誰でも容易に育てられる家庭園芸向けのお花だと思います。
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