ふきのとうは地下茎で勝手に増えて、一度植えたら根絶が難しいため、庭に植えてはいけないと言われています。また天然の毒素を含む点も懸念されます。
ふきのとうは春の訪れを感じさせる山菜のひとつ。
天ぷらにしたり、煮物にしたり、本当に美味しいですよね。
自宅の庭で育てたい人も多いと思いますが、一部では否定的な声も聞こえてきます。
そこで今回は
- ふきのとうを庭に植えてはいけない理由
- ふきのとうを安全に庭で育てる注意点
- ふきのとうを庭に植えるメリット
を解説します。
ガーデニングと家庭菜園が趣味の私にお任せください。
ふきのとうを庭に植えてはいけない3つの理由
ふきのとうを庭に植えてはいけないと言われる理由が、この3つです。
- 勝手に増える
- 根絶が難しい
- 天然の毒性を持つ
勝手に増える
ふきのとうを庭に植えてはいけない1つめの理由が、「勝手に増える」ため。
ふきのとうの茎は「地表」ではなく「地中」を経由して、横へ横へと伸びていきます。
そのため、植えた場所とは離れた場所からヒョコッと芽を出して葉っぱを茂らします。
年々増殖してる
フキ狩りしませんか?無料ですー🤣 pic.twitter.com/Pp3suqJNWj— MIKUSA❁⃘*.゚ (@tamakoromeri) April 18, 2021
気づけば、こんな風に庭が一面「フキ畑」になってしまうことも……。
このような地中で伸びる茎のことを「地下茎」と呼びます。
根絶が難しい
ふきのとうを庭に植えてはいけない2つめの理由が、「根絶が難しい」ため。
ふきのとうは地下茎を縦横無尽に伸ばすため、一旦植えてしまうと完全に根絶やしにするのが難しい植物……。
ふきのとう
と フキが 地下茎で 繋がっている様子です´ω`)ノ
小さなフキが 顔を出していますね!
綿毛になって 種を飛ばしている物も ありました pic.twitter.com/ChfeWT866J— かっぱ (@ygbzqYyVAuMxLLk) April 10, 2021
インターネット上では
ふきのとうを2年がかりでやっと根絶した!
なんて苦労した体験談も見かけるほど……。
いまは庭に欲しいと思っても、将来的に不要になる場合も考えておかないといけませんね。
天然の毒性を持つ
ふきのとうを庭に植えてはいけない3つめの理由が、「天然の毒性を持つ」ため。
ふきのとうは「ピロリジジンアルカロイド類」という天然の毒性を含みます。
ただ、この毒素は水に溶けやすく、アク抜きすることで減少します。
ふき/ふきのとうを食べる際にはアク抜きするのが常識なので、これまでに中毒を起こしたケースは報告されていません。
しかし、小さい子供やペットがいる家では誤食するリスクも考慮しないといけませんね。
ふきのアク抜きのやり方はコチラの動画がくわしいです。
「ゆでこぼし」(茹で汁を捨てる)と「水にさらす」工程をしっかり行ってください。
ふきのとうを安全に庭で育てる3つの対策
それでもふきのとうを庭に植えたい場合は、こんな点に気をつけると安全に育てられると思います。
- 根止めで範囲を限定する
- プランターに植える
- ペットや幼児がいる場合
根止めで範囲を限定する
ふきのとうが勝手に庭のあちこちから芽を出したり、地下茎がはびこる惨状を防ぐには、「根止めで範囲を限定する」のが一番。
「根止め」とは、根っこが成長するエリアを限定するために土の中にうえる「仕切り」のようなものです。
ふきのとうの地下茎は地表から5~10cmの深さを這うそうなので、根止めでガードすることが可能かと思われます。
プランターに植える
庭に植えて増殖するリスクを恐れるなら、いっそ庭への地植えはやめてプランター栽培にするといいでしょう。
プランターなら地下茎で増える危険もありませんし、不要になった場合でも処分するのが楽です。
ペットや幼児がいる場合
ペットや幼児がいる家庭の場合、ふきのとうを庭に植えると誤食する可能性があります。
プランターなど鉢に植えて近寄らない場所に置くなど、未然の事故を防ぐ対策が必要。
ただ、フキ自体は生では苦く、大量に食べる可能性は低いのでそれほど心配する必要ないかもしれません。
実際、ペットが食べて中毒を起こしたというケースは聞かれないそうです。
ふきのとうを庭に植える2つのメリット
ふきのとうを庭に植えるのは、こんな2つのメリットがあります。
- 食べられるグランドカバーになる
- 育てやすく枯れる恐れが少ない
食べられるグランドカバーになる
私の家では昔、山に散策に行った際にフキを見つけて収穫して帰ったことがあります。
子供の頃には嫌いでしたが、いまでは甘辛く煮た「きゃらぶき」は大好き。
身近な山菜として、フキが庭で収穫できるのはちょっとした贅沢ですよね。
しかも、フキを植えておくと葉っぱが広がって、その下には雑草が生えません。
つまりグランドカバーとしても役立ってくれるわけですね。
育てやすく枯れる恐れが少ない
フキは日本原産のため、日本の気候に順応しています。
日当たりが良い場所よりも半日陰くらいの場所を好む性質なので、日照が悪い庭でも良く育ちます。
乾燥にさえ気をつければ、それほど手がかからず、園芸初心者でも枯らすことなく元気に育てられる植物ですよ。
まとめ
ふきのとうを庭に植えてはいけないのは
- 勝手に増える
- 根絶が難しい
- 天然の毒性を持つ
という3つの理由からでした。
地下茎というやっかいな面もありますが、その特徴を知っていれば庭一面に広がるようなことも防げます。
なにより、茎と花茎という春の味覚を2つも味わえるのですから、お好きな方はぜひ庭で育てていただきたいですね。
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