「いずれ・あやめか・かきつばた」……この言葉、どちらも優れていて選ぶのを迷う時に使いますね。
この言葉は「あやめ」と「かきつばた」が似ていることからきているんですけど、「あやめ」と「かきつばた」の違い、わかりますか?
私には分かりません。(^_^;)
近所の公園にそれらしき花が咲いているんですが、まったく判別がつきません!
そこで、あやめとかきつばたに加えて、菖蒲も一緒に調べてみましたよ。
菖蒲・あやめ・かきつばたの違いを知るにはココをチェック
菖蒲・あやめ・かきつばたがそれぞれどう違うのか、調べてみると……
3種類ともアヤメ科アヤメ属の多年草という所は同じですが、花の色や形・生えている場所に違いがありました。
花で見分ける時は、外側の花びらを見てください。
【「花」での見分け方】
■あやめ・・・黄色に紫色の網目模様が花びらの付け根に入っています。
■かきつばた・・・花びらの中央に白い線が入っています。
生えている場所でも明確な違いがあるので、カンタンに分かります。
【「生えている場所」での見分け方】
■あやめ・・・水気のない乾燥したところ
■かきつばた・・・浅い水の中や湿地
菖蒲とかきつばたは水気のあるところ、あやめは完全に乾燥した所という違いがあります。
これで、見分け方はばっちりですね!
それでは、それぞれの植物の由来や名所などを見ていきましょう。
菖蒲はどんな花?
菖蒲はどんな花なのでしょうか。
まず始めに、菖蒲という植物には、実は2種類ありますが、今回話題にするのはきれいな花を咲かせるアヤメ科の方であることをお断りしておきますね。
もう一つは菖蒲湯や菖蒲酒でおなじみのサトイモ科の多年草なんです。
そういうわけで、アヤメ科の菖蒲はサトイモ科の菖蒲と区別するために、花菖蒲とも呼ばれています。
花の見頃は6月頃です。
この花はあやめ・かきつばたよりも歴史は新しいんです。
江戸時代の旗本、松平左金吾がアヤメ科のノハナショウブを改良し、江戸ハナショウブを作り出したのです。
この江戸ハナショウブが肥後藩に伝わり改良されたのが肥後ハナショウブ、伊勢に伝わり改良されたのが伊勢ハナショウブと言われています。
現在、菖蒲はこの「江戸ハナショウブ」・「肥後ハナショウブ」・「伊勢ハナショウブ」の3つの系統にほぼ分かれるんですよ。
様々な観賞用品種があり、色も形も豊富であでやかで、あやめやかきつばたを押しのける勢いがあります。
![]() (ビオトープ/水辺植物)おまかせ花菖蒲(3ポット)
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今では「あやめ園」と言えばハナショウブの群生地を指すようになりました。
日本四大あやめ園というのがあります。
・山形県の長井あやめ公園
・茨城県の前川あやめ園
・千葉県佐原市立水生植物園(現在休園中ですが2017年に水郷佐原あやめパークとして開園予定)
この4つを言いますが、名前を冠しているあやめよりも菖蒲の数が多く、菖蒲の名所なんですよ。
江戸時代から続く葛飾区の堀切菖蒲園や同じ葛飾区の水元公園もおすすめです。
あやめはどんな花?
次に、あやめはどんな花なのでしょうか。
あやめの名前の由来は
・輸入した漢部(あやべ)が転じてあやめとなった
・青禰芽(あおいやめ)から転じたから
など諸説あります。
昔からあったんですけど、サトイモ科の菖蒲と一緒にされていたんですよ。
漢字で菖蒲と書いて「あやめ」と読むのは昔の人もよく分かっていなかったからなんですね。
花の見頃は5月上旬~中旬です。
青紫色の小ぶりの花がつきます。
菖蒲の名所でもある千葉県佐原市立水生植物園にも沢山植わっていますよ。
岡山県津山市の作楽神社は桜も有名ですが、あやめも有名です。
かきつばたはどんな花?
最後にかきつばたはどんな花なのでしょう。
昔はかきつばたの青紫色の花の汁を染料にしていたんですよ。
そこから「書付花」と名付けられ、転じて「かきつばた」となったと言われています。
花の見頃は5月旬~下旬です。
かきつばたと言えば、在原業平『伊勢物語』の東下りが有名ですね。
というかきつばたの歌が歌われたのが愛知県知立市八橋です。
ここにある八橋かきつばた園では「かきつばた祭り」も行われますよ。
京都の大田神社も有名です。
野生のかきつばたの群生が見られ、国の天然記念物に指定されています。
こちらも平安時代に藤原俊成が歌に詠んでいます。
現在は菖蒲の一人勝ち
さて、花の違いがいろいろありましたが、江戸時代に品種改良された菖蒲が、一番植わっている本数も多く、100万本を超えて栽培されているところもあります。
見分けが付かなかったら、とりあえず菖蒲じゃないかと考えてよいと思いますよ。
あやめやかきつばたも人気が出れば、いつか菖蒲を超えて栽培されるようになるかも知れませんね。
ちなみに私の家の近所に植えられているのも菖蒲でした(^^)
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