ブラックベリーは植えてはいけないってホント?
植える場所が限られたり、管理が面倒な点はありますが、正しい知識をもっていれば植えても問題ありません。
ベリー種のなかで最近人気のブラックベリー。
つぶつぶが固まったような黒い果実は見た目にもオシャレで、「見てよし・食べてよし」の優等生。
しかし、一部では「植えるのは問題あり」のウワサも……。
そこで今回は
- ブラックベリーを植えてはいけない理由
- ブラックベリーを安全に育てる秘訣
を徹底解明します。
子供の頃から植物の栽培が好きだった私がお届けしましょう。
ブラックベリーを植えてはいけない5つの理由
世間でブラックベリーを植えてはいけないとウワサされるのは、こんな5つの理由があるためです。
- 繁殖力が旺盛だから
- トゲが危ないから
- 虫や鳥が集まってくるから
- 果実がまずい(すっぱい)から
- 冬の寒さで枯れるから(北海道限定)
面倒ですが、植えてから後悔しないためにチェックしていきましょう。
繁殖力が旺盛だから
ブラックベリーは旺盛な繁殖力で、どんどんと勢力を拡大します。
たとえ、水や肥料をやらないで「ほったらかし」でも、ぐんぐん育つんですよ。
庭のすみっこに植えたつもりが、いつの間にか主役のように目立ってきて、やがては庭全体へと広がったり……。
ブラックベリーの花が咲き始めました。
この花をみるたびに夏の終わりに差し掛かったんだなと思います。そういえば明日は夏至。
花が実に変わる頃にはイギリスは初秋となります。
(ちなみにブラックベリーは育てているのではなく雑草w 繁殖力が凄まじくて、いつも困っています) pic.twitter.com/5QzWnU4qux— MiyukiSakamoto (@miyukisaka) June 20, 2022
そもそもブックベリーはツル植物。
その伸びたツル(枝)が地面に接地すると、その部分から根っこが伸びて地面に深くもぐっていきます。
そうなったらもうお手上げ。
ツルを切断してもそこを基点として「ひとつの株」に成長するんですね。
また、ブラックベリーを食べた鳥がフンをし、フンに混じった種から発芽して成長するケースも……。
そうやってじわじわと自分の領土を広げていく、怖い植物なんです。
その様子を間近で目撃した人は
ブラックベリーなんて庭に植えるもんじゃない!
なんて憤慨しちゃうとか。
トゲが危ないから
ブラックベリーは「バラ科キイチゴ属」の仲間。
「バラ」のワードから想像できるように、ブラックベリーの枝には鋭いトゲが生えます。
おはようございます。
花冷え 花曇り…とは季節感が良く顕された言葉ですね。「セイヨウヤブイチゴ」
新葉が展開しようとしています。
いわゆるブラックベリーですが、園芸逸出ではなく、どうも法面緑化用の種に紛れていた野生種っぽいです。
非常に鋭い棘があり、実も酸っぱい…#帰化植物見本園 pic.twitter.com/xzdNOz1UFp— シオザキソウ🌱帰化植物見本園 (@kamekichi777) March 28, 2022
剪定するときや、果実を収穫するときに手に刺さって、とってもやっかい!
ワサワサと大きく茂った際には、そばを通るだけで服にひっかかってしまうことも……。
小さい子供がいる家庭では、その親が
ブラックベリーはトゲが危ないから植えてはいけない
なんて言うのも当然でしょう。
虫や鳥が集まってくるから
ブラックベリーの真っ黒な果実は、鳥にとっても魅力的。
人間が食べる前に鳥が集まってきて、食べられてしまうことも珍しくありません。
鳥が集まると糞害や騒音(鳴き声)など、ご近所にも迷惑をかけてしまうでしょう。
また、ブラックベリーには
- コガネムシ
- カイガラムシ
- ダニ類
- コウモリガ
- カメムシ
- オウトウショウジョウバエの幼虫
などの害虫が寄ってきて、葉っぱや果実を食い荒らします。
鳥や虫が苦手でやっかいごとを持ち込みたくない人は、ブラックベリーを含む果樹の栽培は向いていません。
果実がまずい(すっぱい)から
Googleで「ブラックベリー」と検索すると、関連ワードには
- ブラックベリー まずい
- ブラックベリー 酸っぱい
- ブラックベリー 美味しくない
こんな不評の声が並びます。
ブラックベリーの果実の評判が悪い理由は、色づいた直後に収穫するため。
つまり、まだ熟していないために、とても酸っぱくてまずいんですね。
ブラックベリーの果実は真っ黒に完熟していれば、甘くて美味しくなります。
ただ、果実を熟すまでに放置すると、鳥や虫に食べられる恐れがあるため、みんな急いで収穫するんですね。
#お庭 #季節の草花 #実り
ブラックベリー
酸っぱいです。しっかり真っ黒になると甘いです♪ https://t.co/x0gheEpVN0 pic.twitter.com/xWDcEcFtA8— さっち……in廣島⛩神推し (@ctijJzjHRfO0JQX) July 2, 2022
そのせいで、本当の美味しさを知らず
ブラックベリーなんてマズイから植えてはいけない
なんてボヤいてしまうようです。
冬の寒さで枯れるから(北海道限定)
ブラックベリーはアメリカ中部原産で、マイナス10℃までは耐えられる「耐寒性」の強い植物。
そのため、沖縄から本州全域なら冬の寒さに耐えられます。
しかし、真冬にマイナス10℃以下まで下がる北海道では枯れてしまうため、地植えは不可能です。
あくまで北海道限定でブラックベリーは庭に植えてはいけないといえますね。
ブラックベリーを安全に育てる秘訣5選
もしそれでもブラックベリーを植えたいなら……。
私が思う安全に育てる秘訣がこちらです。
- トゲ無しの品種を選ぶ
- 広い場所に植えない
- 地植えではなく鉢植えにする
- 定期的な剪定を欠かさない
- 果実を虫や鳥から守る
これさえ守れば、家の庭で果実をや花を楽しめるはずですよ。
トゲ無しの品種を選ぶ
原種のブラックベリーには鋭いトゲがあります。
しかし、品種改良された「ソーンフリー」という品種にはトゲがありません。
豊産性(実がたくさんなる)なので、収穫量も多め。
手入れをしたり子供がイタズラをしても、あやまってトゲで怪我をする心配がありません。
これからブラックベリーを植えるなら、ソーンフリーの品種がお勧めです。
広い場所に植えない
ブラックベリーを囲いのない広いスペースが広がる庭に植えると、際限なく勢力を拡大します。
他の樹木の成長にもマイナスですし、景観的にもブラックベリーだけの庭はいただけません……。
ブロックなどで囲いをした花壇に植えるなど、最初から場所を限定しておくといいでしょう。
地植えではなく鉢植えにする
庭に花壇を設置するスペースがなかったり、寒さが厳しい北海道では地植えを諦めるのも方法のひとつ。
ブラックベリーを鉢植えで育てるのはどうでしょうか?
鉢植えなら管理がしやすく、周囲に広がる危険性もありません。
また、不要になった際には処分も楽ですよ。
定期的な剪定を欠かさない
ブラックベリーはツルを伸ばしながら、横へ横へと繁殖エリアを拡大していきます。
大きさを制限したり、翌年も実をたくさんつけさせるためにツル(枝)の定期的な剪定が欠かせません。
ブラックベリーの剪定時期は
- 12月~2月
- 6月下旬~7月上旬
の年に2回です。
果実を虫や鳥から守る
ブラックベリーの果実は、完熟していない状態で摘むと大変酸っぱく、生食にはできません。
完熟し美味しくなるのは、未熟(赤い状態)から黒く変化(完熟)し、さわるとポロッと取れる状態になってから。
ただ、そこまで待っている間に鳥や虫に食べられる恐れも……。
そんな鳥害・虫害を防ぐために、果実にカバーをつけて守りましょう。
今年実った唯一のブラックベリー。虫に食われないようネットをかけてたら雨で腐りかけたので、慌てて雨よけを。過保護すぎてダメになる予感も・・・ pic.twitter.com/ZPqOCLTaDX
— sa-sara (@sasaratwt) June 19, 2022
木が大きくなって実がたくさん付いたら大変な作業ですが、美味しい実を得るにはベストな方法です。
まとめ
ブラックベリーを植えてはいけないのは
- 繁殖力が強い
- トゲが危険
- 鳥や虫が集まる
- 果実が酸っぱい
- 北海道の寒さに耐えられない
という5つの理由からでした。
最大の障害が蔓延るパワーでしょう。
わんぱくな子供をしつけるように目を光らせていれば、問題なく庭でも植えられますよ。
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