菜の花は
- 勝手に増える
- いろんな虫が寄ってくる
- 連作障害が起こる
以上、3つの理由から庭に植えてはいけないとされます。
しかし、種を蒔くまえに特性を頭に入れて、対策を立てれば安全に育てることができます。
この記事では
- 菜の花を庭に植えてはいけない理由の解説
- 菜の花を安全に庭で育てるポイント
をくわしくご紹介します。
今年も自宅の庭で菜の花を育てた私にお任せください。
菜の花を庭に植えてはいけない3つの理由を解説
菜の花を庭に植えてはいけない3つの理由をそれぞれ分けて解説します。
勝手に増える
菜の花を庭に植えてはいけない1つ目の理由が「勝手に増える」ため。
河川敷や空き地に生えていた菜の花が年々、当たり一面に広がっていく様子を目にしたことがありませんか?
もし、自宅の庭に菜の花の種を蒔いた場合、あれと同じことが起こる可能性があるんですね。
その原因が「こぼれ種」。
菜の花の開花が終わった後には、無数の種がつきます。
その種のサヤが地面に落ちたり風で飛ばされて、翌年以降、勝手にそこから芽を出して成長するわけです。
気づけば庭全体が菜の花畑になってしまうことも……。
また、隣人の家にも飛散する可能性は十分にあるため、迷惑をかける恐れもあります。
環境に悪影響を及ぼす品種もある
河川敷によく咲いている菜の花は「セイヨウカラシナ」という品種。
このセイヨウカラシナは「生態系被害防止外来種リスト」に登録されている植物のひとつです。
「生態系被害防止外来種リスト」とは、生態系や人の暮らしなどに悪影響を及ぼす恐れがあるとして国が指定した外来種のリスト。
ですから、河川敷に咲いていたセイヨウカラシナを持ち帰ったり、種を採ってきて庭に植えるのはNG行為。
上記の動画のように堤防を壊す恐れもあるそうなので、栽培したり拡散する行為は慎みましょう。
いろんな虫が寄ってくる
菜の花を庭に植えてはいけない2つ目の理由が「いろんな虫が寄ってくる」ため。
菜の花にはこんな虫が寄ってきます。
- アブラムシ
- アオムシ
- ヨトウムシ
- ナガメ(カメムシ)
- ミツバチ
- モンシロチョウ
- アブ
菜の花は病気には強いものの、害虫の発生は珍しくありません。
虫嫌いの女性からすると、ゾッとしますよね。
連作障害が起こる
菜の花を庭に植えてはいけない3つ目の理由が「連作障害が起こる」ため。
「連作障害」とは、同じ場所に同じ植物を続けて栽培すると、有害な病原菌や虫が増えたり、土壌の養分が不足する障害のこと。
菜の花が属するアブラナ科は連作障害を起こしやすい植物です。
今年咲いた菜の花から種を採取して、来年また同じ場所に蒔くと花が咲かないケースも……。
菜の花を安全に庭で育てるポイント
庭で菜の花を楽しむポイントがこちら。
こんな点に気をつければ安全にどなたでも育てることができますよ。
- 市販の種から育てる
- 鉢で育てる
- 虫対策をする
- 花がらを摘み取る
市販の種から育てる
前述したように河川敷等に見られる菜の花はセイヨウカラシナ(生態系被害防止外来種リスト記載)の可能性が大。
セイヨウカラシナの種を採ってきて栽培したり、種を拡散させるのは環境に悪影響を及ぼします。
菜の花を育てる場合はきちんとホームセンターやネットショップで栽培が許可されている「菜の花の種」を購入しましょう。
鉢で育てる
菜の花を鉢で育てると、こんなメリットがあります。
- こぼれ種の拡散を防ぐのが容易
- 土の管理が容易
鉢植えなら移動ができるため、土の地面から遠ざけて栽培が可能です。
そのおかげでこぼれ種が土の地面に落ちるリスクが減ったり、花が終わった後の花がら摘みも非常にやりやすくなりますね。
また、連作障害対策のために一度使った用土を廃棄したり、再利用するのも管理がしやすくなりますよ。
私は毎年、鉢植えで菜の葉を育てています。
虫対策をする
ミツバチやモンシロチョウの飛来を防ぐには、防虫ネットで覆う方法があります。
景観が悪くなるデメリットはあるものの、100%シャットアウトが可能。
アブラムシやアオムシについては見つけ次第、手作業で駆除するか、食用にしない場合は農薬を使う手もあります。
花がらを摘み取る
菜の花が庭に広がってしまうのを防ぐには、種ができるまえに「花がら」を摘んでしまうのがベスト。
「花がら」とは、咲き終わっても散らずに残っている花のこと。
見た目にも悪いので花が終わったら、早めに摘んでしまいましょう。
もし来年用に種を確保したい場合は一部だけを残して、種がついたら飛散するまえに採取します。
菜の花に関するQ&A
菜の花に関する誰でも疑問に思う点をQ&A形式で解説します。
食べられる菜の花と観賞用の菜の花の違いは?
食用にする菜の花と観賞用の菜の花は「品種の違い」があります。
スーパー等で買える食べられる菜の花(なばな)は、食用に品種改良されたものです。
用途 | 品種名 |
---|---|
食用 | ・伏見寒咲き花菜 ・伏見ちりめん花菜 ・菜々みどり |
観賞用 | ・セイヨウカラシナ ・セイヨウアブラナ |
切り花として売られている菜の花はセイヨウアブラナ(西洋油菜)という品種。
なぜ菜の花は休耕地や土手に植えられる?
休耕地に菜の花が育つのは、菜種油を収穫するために作っていた菜の花が勝手に生えてきている可能性がひとつ。
もうひとつは「景観維持作物」として見栄えのために意図的に植えている場合も。
土手に生えている菜の花はこうした畑から飛んだ種が野生化したと考えられます。
まとめ
菜の花を庭に植えてはいけない理由は
- 勝手に増える
- いろんな虫が寄ってくる
- 連作障害が起こる
以上の3点でした。
対策を立てれば庭に植えても問題がない植物です。
手軽に楽しむなら私みたいに鉢植えにしてコンパクトに育てるのが一番ですよ。
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