みかんの木を庭に植えてはいけないと言われる最大の理由は「実のなる木を植えてはいけない」という俗説が昔から語り継がれているためです。
つまり、縁起上の問題。
いくつか注意点を知っておけば、安全に育てることができます。
みかんを庭で育てて食べられたらなあ……と夢見る人は多いですよね。
でも、一部では「ダメ」とする声も根強くあります。
そこで今回は
- みかんの木を庭に植えてはいけない理由
- みかんの木を庭に植えるメリット
- 庭で安全にみかんの木を育てるコツ
こんな知識を解説します。
ガーデニングが昔から好きで庭木にはちょっとくわしい私がお届けします。
みかんの木を庭に植えてはいけない3つの理由
みかんの木を庭に植えてはいけないと言われる理由は、以下の3つです。
- 実のなる木を植えてはいけない俗説があるため
- 棘が鋭いため
- 虫や鳥が寄ってくるため
さて、どういうことなのでしょうか?
実のなる木を植えてはいけない俗説があるため
日本では昔から「実のなる木を植えてはいけない」という俗説が語り継がれてきました。
この俗説では「木から実が落ちる様子が不吉」に見えるため、縁起が悪いとされています。
ただし、この考え方は科学的な根拠がなく、あくまで迷信的なもの。
庭に実のなる木を植えることが直接的に悪い結果をもたらすわけではありません。
実のなる木は美しい花や良い香りを楽しめるだけでなく、実を収穫して食べることもできます。
したがって、庭にみかんの木や他の実のなる木を植えることは、個人の好みや利益に応じて判断すべきであり、迷信にとらわれる必要はありません。
トゲが鋭いため
「みかんの木を庭に植えてはいけない」と言われるのは「トゲが鋭いため」という理由もあります。
みかんの木には枝や幹に棘があり、触れると刺す危険性があります。
これは特に小さな子供やペットにとって危険であり、ケガのリスクがあるという懸念があります。
庭での日常の活動や作業中に棘に触れてしまうことも。
棘によるケガや痛みを避けるため、みかんの木を庭に植えるのを避けるという判断がされることがあります。
ただし、棘のある品種の代わりに棘のない品種を選ぶことや、適切な手入れや注意をすることで、棘の問題を軽減することも可能。
庭にみかんの木を植えるかどうかは個人の好みや環境によるものであり、棘の鋭さに関する懸念は個別の判断によって対処されるべきでしょう。
鳥が果実を食べる鳥害のおそれがあるため
「みかんの木を庭に植えてはいけない」という理由のひとつとして、鳥が果実を食べることによる鳥害の可能性が挙げられます。
みかんの木が実をつけると、鳥にとって魅力的なエサとなります。
特に野生の鳥や鳥の多い地域では、みかんの実が鳥に格好の標的になる可能性が。
収穫前に実が食べられてしまったり、食べられた実が庭に散乱してしまったりすることがあります。
また、鳥が実をついばんだりつついたりすることによって、実の品質や外観が損なわれることもあります。
自宅の庭に鳥が集まることで隣家の人の迷惑をかける恐れも……。
このような鳥害のリスクを避けるため、みかんの木を庭に植えないという判断がされることがあります。
対策としては、ネットや鳥よけの装置を使用するなど、鳥の接近を防ぐ方法がありますが、手間や費用がかかるでしょう……。
庭にみかんの木を植えるかどうかは、鳥害のリスクを考慮し、個々の状況に応じて判断するべきです。
みかんの木を庭に植える4つのメリット
町を散歩しているとあちこちに庭にみかんの木を植えた家を見かけますよね?
いくつかデメリットもあるのにどうして庭にみかんの木を植えた家が多いのかというと、以下のようなメリットがあるためだと考えられます。
- 風水的に縁起が良い
- 無農薬の果実が食べられる
- 冬の寂しい庭の彩りになる
- 白い花と香りが素晴らしい
うーん、どういうことなのでしょうか?くわしくご紹介しますね。
風水的に縁起が良い
みかんの木を庭に植えるメリットのひとつとして、風水的に縁起が良いという点が挙げられます。
風水的な観点からは、みかんの木は幸運や豊かさを象徴し、庭にプラスのエネルギーをもたらす存在なんですよ。
なぜなら風水では、黄色が縁起が良い色とされているため。
みかんの黄色い実はその象徴とも言えます。
黄色は元気なエネルギーや豊かさの象徴であり、金運を高めるとされているんですね。
庭にみかんの木を植えることで、そのパワフルなエネルギーを引き寄せ、良い運気や繁栄をもたらすと信じられています。
また、みかんの木は美しい花や香りも楽しめるため、庭に明るさや活気を与える役割も果たします。
無農薬の果実が食べられる
みかんの木を庭に植えるメリットのひとは、無農薬の果実を食べることができる点。
自宅の庭にみかんの木を植えると、自家栽培の無農薬のみかんを手に入れることができます。
一般的な市販のみかんには農薬が使用されることがありますが、自家栽培のみかんは農薬を使わずに育てることが可能。
これにより、家族や自分自身が安心して安全な果実を摂取することができます。
皮に農薬が付着しないので、皮を食用にするマーマレードジャムだって作れますよ。
また、農薬を使用せずに育てられたみかんは、より自然な風味や味わいを楽しむことができます。
自家栽培のみかんは収穫のタイミングも自分で決めることができ、熟した状態で収穫できるため、よりおいしいみかんを味わうことができますよ。
さらに、自家栽培のみかんを摂取することで、家庭菜園や自給自足の喜びを体験することもできます。
無農薬のみかんは自然の恵みを感じることができるだけでなく、栽培の手間や成長の過程を見守ることで、より深い満足感を得ることができるでしょう。
冬の寂しい庭の彩りになる
みかんの木を庭に植えるメリットのひとつは、冬の寂しい庭に彩りを添えること。
冬は植物が休眠する時期であり、庭の景色が寂しい印象になることがあります。
しかし、みかんの木は冬になっても緑の葉を保ち、美しい実をつけていることが多いのですね。
そのため、みかんの木が庭に植えられていれば、寒い季節でも庭が活気と色彩にあふれることができます。
緑の葉と黄色い実は、冬の風景に明るさと温かさをもたらし、目を楽しませてくれます。
また、みかんの木の香りも庭全体に広がり、心地よい雰囲気を演出します。
これによって、冬の庭が生気にあふれ、居心地の良い空間となるでしょう。
さらに、みかんの木は鳥たちにとっても魅力的な場所となり、鳥の姿を楽しむことができるかもしれません。
冬の寂しい庭にみかんの木を植えることで、季節感を演出し、暖かな雰囲気を醸し出すことができます。
白い花と香りが素晴らしい
おはようございます
5月17日の誕生花はミカン(蜜柑)
みかんの花が咲いている〜の
童謡「みかんの花咲く丘」もちょうど見頃でしょう
花言葉は「花嫁の喜び」「純潔」「親愛」
みかんの花の芳(かぐわ)しい香りを思い浮かべつつ
今日もどうぞいい一日を pic.twitter.com/ZGKMLmlYKU— 佐分利 応貴 (@saburimasataka) May 16, 2023
みかんの木を庭に植えるメリットのひとつは、その美しい白い花と素晴らしい香りです。
みかんの木は春に白い花を咲かせます。
これらの花は繊細で優雅な姿を持ち、庭全体を華やかに彩ります。
白い花びらが風に揺れる様子は、穏やかで美しい光景を作り出しますよ。
また、みかんの花は芳醇な香りを放ちます。
その香りは爽やかで心地よく、庭や周囲の空間を包み込むような癒しを与えてくれます。
特に夜になると香りがより一層増して、夜間の庭の雰囲気を豊かに演出。
この花と香りの組み合わせは、庭に魅力とロマンティックな雰囲気をもたらします。
みかんの木を植えることで、春の訪れを感じさせ、庭を美しく飾ることができるわけです。
白い花と香りによって、庭には穏やかで魅惑的な空気が漂い、日々の生活をより豊かに彩ってくれることでしょう。
庭で安全にみかんの木を育てるコツ
ご家庭の庭で安全にみかんの木を育てるには、以下の点に気をつけてください。
- 危険な棘をカットする
- 害虫と病気の対策をする
危険な棘をカットする
みかんの木には鋭い棘があり、触れると怪我をする可能性があります。
特に子供やペットが庭で遊ぶ場合は、棘のある枝が危険となることが!
そのため、みかんの木を育てる際には、定期的に棘をカットして取り除くことが重要。
カットする際には適切な道具(剪定ばさみや枝切りばさみ)を使用し、注意深く行いましょう。
また、カットした後は適切に処理し、棘を安全に廃棄することも忘れずに行いましょう。
棘のカットによって、庭での安全性が向上し、みかんの木を楽しむ際のリスクを軽減することができます。
さらに、カットによって木の形を整えることもでき、見た目の美しさを整えることにも。
安全な環境でみかんの木を育てるために、定期的な棘のカットは欠かせない作業です。
害虫と病気の対策をする
害虫と病気の対策は、安全にみかんの木を育てるために重要です。
害虫対策としては、定期的な観察が必要。
害虫の早期発見には敏感な目を持ち、葉や枝に異常がないかチェックしましょう。
必要に応じて天然の防虫剤を使用したり、手で摘み取ったりすることも有効です。
また、生育状態を健康に保つために、適切な剪定や追肥を行い、樹木の抵抗力を高めましょう。
病気対策としては、予防が重要。
適切な栽培環境を整え、樹木が健康に育つように注意しましょう。
定期的な消毒や防疫措置も行い、病原菌の侵入を防ぎます。
病気の初期症状を見逃さず、早期に対処することも大切です。
また、病気にかかった部分を剪定し、感染を広げるのを防ぐことも効果的です。
さらに、周囲の環境管理も大切です。落ち葉や病気の部分を適切に処理し、病原体の増殖を防止します。
水やりの方法にも注意し、過湿や過乾燥を避けましょう。
総合的に言えば、害虫と病気の対策は定期的な観察と予防が鍵です。
植物の健康を維持し、早期に問題を発見して適切に対処することで、安全にみかんの木を育てることができます。
庭にみかんの木を植えたい人のよくある質問(FAQ)
庭にみかんの木を植えたい人が疑問に思いがちな点について、「よくある質問」としてまとめました。
Q.実ったみかんを収穫しない家が多いのはなぜ?
せっかくたわわに実ったみかんを収穫しないで、そのまま放置している家をときどき見かけます。
その「収穫しない理由」は人それぞれであり、以下のような理由が考えられます。
- 食べ頃になる(甘くなる)のを待っているため
- 単純に甘くない(酸っぱくて食べられない)
- 多く実が付きすぎて食べきれない(使い切れない)
- 高い場所に実っていて手が届かない(収穫が不可能)
- 利用方法を知らない
- 地域の特性で収穫しない
- 鑑賞が目的
Q.みかんの木はどれくらい大きくなる?
みかんの木は植えてからの経過時間や品種によって大きさが異なりますが、一般的には以下のような大きさに成長します。
温州みかん | |
---|---|
高さ | 3m |
直径 | 4m |
ただし、栽培条件や手入れ状況によっても大きさは変わるため、個々の状況によって異なる結果になることもあります。
また、一部の品種はコンパクトなサイズになることもあります。
Q.北日本では育てられる?
北日本でのみかんの木の栽培は一部の品種を除いて難しいでしょう。
みかんの木は温暖な気候を好み、寒冷な地域では凍害や寒害のリスクが高くなります。
一般的には南日本や亜熱帯気候の地域で栽培されます。
しかし、一部の耐寒性のある品種や特別な対策を行うことで、北日本の一部地域でも育てることが可能。
最近、宮城県にみかん農家が誕生したというニュースがありました。
ただ、寒冷地での栽培には、寒冷地対策として保温措置や冬期の管理が必要です。
例えば、冬期には温室やビニールハウスで保温し、凍害から守ることが求められます。
また、品種選びも重要で、耐寒性のある品種を選ぶことが必要。
北日本でみかんの木を栽培したい場合は、地域の気候条件や寒冷地対策について詳しく調査し、専門家や地元の農業相談機関のアドバイスを受けることをおすすめします。
Q.庭での栽培に向いているみかんの種類は?
一般家庭の庭で育てやすいとされている温州みかんの品種は以下が一例です。
- 極早生温州みかんエヌワン
- 宮川早生温州みかん
- 石地温州みかん
まとめ
「みかんの木を庭に植えてはいけない説」は迷信によるものであり、「実がなる木が縁起が悪い」と言われていたからです。
しかし、現在はそんな俗説は年配の方だけが知るところとなり、若い世代にとっては関係が薄れています。
適切な管理と注意を払えば、庭でもみかんの木を植えることは可能。
迷信にとらわれず、庭にみかんの木を育てることを検討してみてはいかがでしょうか。
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