ヒメウツギは庭に植えてはいけないって本当?
完全な誤解です。植えても問題はありません。
とはいえ、「庭に植えると良くないよ!」というウワサを耳にしますよね?
そこで今回は
- ヒメウツギを庭に植えてはいけないと言われる理由
- 逆にヒメウツギが庭植えに向くワケ
- ヒメウツギの注意点
こんな情報をお届けします。
花から樹木まで大好きでイロイロ育てている私が解説しますね。
ヒメウツギを庭に植えてはいけないと言われる理由
ヒメウツギという植物について調べてみると
- 実害(育ちすぎる・害虫が大量につくなど)
- 風水や昔からの言い伝え等の縁起の悪さ
- 花言葉が不吉
といったネガティブな点はひとつも見つかりませんでした。
なら、なぜ「ヒメウツギは庭に植えてはいけない」と言われるのでしょうか?
その答えは、タニウツギと取り違えて誤解されているせいだと分かりました。
縁起が悪いのはタニウツギ
ヒメウツギと似た名前の植物に「タニウツギ」があります。
このタニウツギは
縁起が悪いから庭に植えてはいけないよ。
と昔の人は言っていました。
その理由がこちらの2点。
- 棺の蓋を止める釘に使っていた
- 死者の骨を火葬した後に拾う箸に使っていた
昔の日本では、こんな用途に使っていたためにタニウツギには
- 死人花
- 葬式花
という別名があります。
また
- 枝が燃えやすい
- 花の色が火事を連想させる
といった性質から火事を呼ぶ「火事花」の異名もあります。
このような理由から地方によっては忌み嫌われる樹木でした。
ヒメウツギとタニウツギは別種
名前が似ているヒメウツギとタニウツギですが、両者は完全に別種です。
属名と科名も以下のように分かれているんですよ。
種名 | 属名 | 科名 |
ヒメウツギ | ウツギ属 | ユキノシタ科 |
タニウツギ | タニウツギ属 | スイカズラ科 |
そもそもウツギとは、漢字で書くと「空木」。
茎のなかが空洞になっている木を総称して「ウツギ」と一括りにされていました。
そのせいで別種のヒメウツギ(姫空木)とタニウツギ(谷空木)も兄弟や姉妹のような関係だと誤解しがち……。
同じ「ウツギ」の名を持ちながら「別物」ですから、タニウツギの縁起の悪さは一切気にする必要はないんですね。
逆にヒメウツギが庭植えに向く理由
植栽やガーデニングで根強い人気があるヒメウツギ。
それもそのはず、こんなたくさんの利点があるんですよ。
「ヒメウツギは庭植えに良くない」なんて、完全にデマだと納得できるでしょう。
- 純白やピンクの小さな花が可憐で美しい
- 紅葉を楽しめる(日向に植えた場合)
- 樹高は最大1.5mほどの低木
- 狭い庭でも邪魔にならない
- 耐寒性と耐暑性に優れる
- 多少日陰でも元気に育つ
- 土質を選ばない
- 低木のため落葉しても掃除がラク
- 地植えをすれば水やりは不要
- 病気や害虫の被害は最小限
- 風水的には「活力を生む」とされる
もともと日本原産のため、日本の気候に合っていて手をかけないでも勝手に育ってくれます。
見た目は質素で控えめですが、かといって日本式の庭園だけに向くわけではなく、洋風の庭や外来の植物とも合わせやすいタイプ。
癖のないまさにオールマイティーな植物と言えます。
花言葉も素晴らしい
ヒメウツギは花言葉も素晴らしいものばかりで、怖いもの・ネガティブな要素は一切ありません。
- 秘密
- 秘めた恋
- 夏の訪れ
- 古風
- 潔白
「秘密」や「秘めた恋」は、ヒメウツギの茎(幹)が空洞であることから付けられました。
秘密を忍ばせているなんて、なんともロマンチックでいいですね。
ヒメウツギの注意点は「横への広がり」
ヒメウツギは低木で上には伸びたとしても1.5mほど。
ただ、横には広がりやすく、手を付けないで放置すると収集がつかなくなります……。
よって、定期的な剪定だけは絶対に必要です。
こちらの動画はウツギを例に解説していますが、参考になるでしょう。
剪定時期は
- 12月~2月
- 6月
という年2回。
これさえ忘れずに行えば、安心して庭でヒメウツギを育てることができますよ。
まとめ
- ヒメウツギを庭に植えてはいけないは誤解
- 縁起が悪いタニウツギと混同されたのが原因
- 本来は実害がなく育てやすい樹木
ヒメウツギも含め「ウツギ(空木)」の花は、「卯の花」と呼ばれます。
万葉集では「空木」や「卯の花」という言葉が使われた歌が20種以上もあるほど、日本人にとっては古くから身近だった植物。
ヒメウツギの花を「美しい」と感じるのは、古代の日本人のソウルとも響き合ってためでしょう。。
風水的にも庭に植えれば家に活力をもたらしてくれるかもしれませんよ。
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