ヒメツルソバ(ポリゴナム)を植えてはいけないって本当?
深刻な実害がありますが、特徴を知ったうえで管理すればリスクを抑えることは可能です。
その証拠に多くの人が庭にグランドカバーとして植えています。
金平糖のような可愛い花をたくさんつけるヒメツルソバ。
別名として「ポリゴナム」、「カンイタドリ」とも呼ばれます。
あちこちの家で見かけますが、一部では庭に植えるのは良くないというウワサも……。
そこでこの記事では
- ヒメツルソバを植えてはいけない理由
- ヒメツルソバには毒性がある?
などを解説。
花や野菜を育てるのが好きな私がお届けします。
ヒメツルソバ(ポリゴナム)を植えてはいけない5つの理由
ヒメツルソバ(ポリゴナム)を庭に植えてはいけないとウワサされるのは、以下の5つの理由から。
- 繁殖力が強く庭を占拠するから
- 一度植えると除去するのが大変だから
- 隣家にも進出して迷惑をかけるから
- 雑草だと捉える人がいるから
- 葉っぱを気持ち悪いと感じる人がいるから
根拠のない迷信とか縁起担ぎではなく、ほとんどが実害がある理由なので深刻です。
ご自分にとってどれだけマイナスに感じるか、ヒメツルソバ(ポリゴナム)を植える判断材料にしてください。
繁殖力が強く庭を占拠するから
ヒメツルソバ(ポリゴナム)の草丈は低いものの、地面を覆い尽くすように茎(ランナー)」が水平に伸びます。
それに加え、金平糖のような花が咲いたあとに種をつけ、それが「こぼれ種」となって離れた場所から発芽します。
「グラウンド(地面)」を「カバー(覆う)」する植物としては優秀ですが、そのパワーは過剰なほど。
こぼれ種のヒメツルソバ pic.twitter.com/9PogfvSQD0
— り ぶ (@lliblcll) November 3, 2016
庭の一画にひっそり植えたつもりが、狭い庭の大部分を占拠するケースも……。
なにげない思いつきで植えた人が
ヒメツルソバ(ポリゴナム)は植えてはいけない、後悔するよ
と呟くのも理解できます。
一度植えると除去するのが大変だから
ヒメツルソバ(ポリゴナム)は宿根草(しゅっこんそう)です。
宿根草とは、冬期に地上部が枯れても地下部(根)が生き残り、再び芽を出す植物のこと。
一度植えると、たとえ冬に茎や葉が枯れようとも春になると芽吹く植物なんですね。
つまり、繁殖しすぎて不要になった場合は、この地下に広がる根っこを完全に除去しないと、いたちごっこのように何度でも復活します。
手作業でこの地下茎を根絶するのは大変であり、場合によっては除草剤を使う羽目になることも……。
そんな大変さを経験した人は、ヒメツルソバ(ポリゴナム)を植えてはいけないと他人に忠告したくなるわけです。
隣家にも進出して迷惑をかけるから
ヒメツルソバ(ポリゴナム)のこぼれ種は意外なほど広範囲に飛び散ります。
タンポポの綿毛のように風に飛ぶわけではありませんが、地面に落ちたのが吹き飛ばされたり、雨などで流されたりし、隣家まで進出することも。
こちらの投稿のように、コンクリートのわずかな隙間に種が落ちても、そこから大繁殖!
#はみだせ緑
こぼれ種で生えてきたヒメツルソバ。
実はほんの5ミリほどのコンクリートの隙間からこんなに広がりました。
根っこ抜けなかったのでまた咲いてくれるね。 pic.twitter.com/WPwHWsuoTG— うらことり (@ricebird2014) June 1, 2020
自宅の庭から隣家へ、隣家からその隣の家へ……
気づいたら、近所一帯がヒメツルソバ(ポリゴナム)の勢力範囲になっていた……
なんてことも。
そんなえげつない影響力を目の当たりにすると、ヒメツルソバ(ポリゴナム)を新しく植える人に対して警告したくなるはずです。
雑草だと捉える人がいるから
ヒメツルソバ(ポリゴナム)は、明治の頃、ロックガーデン用に導入された草花です。
ヒマラヤ原産のため、そこそこの耐寒性があり、本州の冬なら根っこまで枯れることはありません。
最初は人工的に造園された場所にしか生えていなかったものの、その旺盛な繁殖力のおかげでロックガーデンの外へと進出。
それに加えて、一般家庭の庭に植えられた株からも「庭の外」へと進出しました。
そして、いまでは空き地や道端などいたるところで、野生化したヒメツルソバ(ポリゴナム)が見られます。
そのせいで、植物の知識が浅い人ほど、「雑草の一種」という認識に。
と認識する他人からは
あの家の庭って、雑草がボウボウに生えてるわ……
と、あらぬ誤解を受けるかもしれません。
そんな事情を知ってる人からすると、ヒメツルソバ(ポリゴナム)を植えるのは推奨できないはずです。
葉っぱを気持ち悪いと感じる人がいるから
ヒメツルソバは多年草であり、冬に枯れないでそのまま成長し続けると、葉っぱのサイズがどんどん大きくなります。
この成長した葉が、見る人によっては
- 巨大化して気持ち悪い
- 模様が蛾(ガ)に見えて気持ち悪い
- 虫食い穴が多数見えて気持ち悪い
などと感じるようです。
また、あまりに繁殖しすぎて地面一面をバーっと覆っている状態が
- 恐ろしい
- 背筋がゾッとする
と、ビジュアル的な恐ろしさを感じる場合も……。
そんな様子から、ヒメツルソバ(ポリゴナム)を植えてはいけないと言う人もいます。
ヒメツルソバ(ポリゴナム)に毒性はない
と検索する人がたくさんいらっしゃいます。
ヒメツルソバを犬が食べるせいなのか、毒があるのか気になる人が多いようですね。
しかし、ご安心を。
私がネット上で調べた限り、ヒメツルソバ(ポリゴナム)には毒性があるという記述はひとつも見つかりませんでした。
Yahoo!知恵袋で
ヒメツルソバに毒はありますか?
との質問が投稿されていましたが、カテゴリマスター(その分野に詳しい識者)によると
毒はありません
との回答がされていました。
※ちなみにヒメツルソバは漢字で「姫蔓蕎麦」と蕎麦の字が入っているものの、蕎麦の一種ではありません。
花や葉が似ていたために命名されました。
まとめ
ヒメツルソバ(ポリゴナム)を植えてはいけない理由は、この5つでした。
- 繁殖して庭を覆う
- 除去するのが困難
- 隣家や近所へ広がる
- ただの雑草に見られる
- 葉が気持ち悪い
ただ、毒性があるウワサは誤り。
犬や子供が食べても無害です。
あとは、広がるのをどれだけ抑えて育てるか、それにかかっています。
見た目には可愛らしいので、その長所を活かしてコントロールしながら付き合ってみてはいかがでしょうか?
コメント