トケイソウを植えてはいけないってホントですか?
やっかいな植物であることは事実です。
しかし、正しく管理すれば地植えや鉢植えで楽しむことが可能です。
まるで時計の文字盤みたいなユニークな花を咲かすトケイソウ。
魅力的な植物ですが、庭に植えるのは避けたほうがいいというウワサも……。
そこで、ここでは
- トケイソウを植えてはいけない理由
- トケイソウを安全に育てるコツ
こんな知識をたくさんの草花を育てている私がお届けします。
トケイソウを植えてはいけない3つの理由
日本では時計草(トケイソウ)、海外ではpassion flower(パッションフラワー)と呼ばれる植物。
このトケイソウを庭に植えてはいけないとする根拠は、こちらの3つです。
- ツルが屋根まで届くほど伸びるから
- 他の草木を枯らしてしまうから
- 葉や茎に毒性が含まれているから
どういうことなのか、くわしく見ていきましょう。
ツルが屋根まで届くほど伸びるから
トケイソウは「つる性」であり、多年草です。
つるはぐんぐんと伸びて、その長さは5m以上まで達します。
トケイソウ、今年夏のはじめに2株植えてフェンスにからまったけど、いっこうに咲かず、ダメかと思ってたら今日咲いた。まだ夏は続いてたみたい。
(母が撮って仕事中のわたしに送ってくれた写真です) pic.twitter.com/6Hx0xLwH8F
— 暇屋 アヤカ (@MaYaA_hi) September 3, 2018
こちらの写真のように「植えたばかり」は大人しくてかわいいものですが、やがてはフェンスを覆って屋根まで届いてしまいます。
最初はトレリス(格子垣)やフェンスにからませておいても、すぐにハミ出してしまい、屋根まで届くほど伸びてしまうでしょう。
夏場は日除け代わりになりますが、常緑(冬でも枯れない)のため、冬場の貴重な日光を遮ってしまうのはマイナスポイント!
つるは四方八方に勝手に伸びるため、頻繁に誘引作業が必要であり、管理に手間がかかる点から敬遠する向きがあるようです。
つるに覆われた庭は景観を損ない、他人からは
○○さんちって、庭の手入れを怠っているじゃないの?
と悪印象を与えることになる恐れも……。
隣家までツルが伸びる危険性も当然あります。
他の草木を枯らしてしまうから
トケイソウの伸び放題になったツルは景観を損なうだけではありません。
他の草木に巻き付いて弱らせたり、太陽光線を遮ることで最悪枯らしてしまうケースも……。
庭にトケイソウだけを植えるのなら関係ありませんが、様々な樹木・草花を植えるのが普通ですよね?
他の植物に対して悪影響を与える点もトケイソウを植えるリスクのひとつです。
葉や茎に毒性が含まれているから
トケイソウの葉や茎には、「アルカロイド」という毒成分が含まれています。
アルカロイドを大量に摂取すると
- 肝臓や腎臓の機能障害
- めまい
- 運動失調
などを引き起こすリスクがあるといわれています。
ただ、ヨーロッパではハーブティーとして利用され、鎮静効果があることが研究によって確かめられています。
大量に接種しない限りは心配する必要はなく、毒性については気にしないでいいのではないかと思います。
トケイソウを安全に植える2つのコツ
では、トケイソウはどうやって育てれば安全なのでしょうか?
私が思う家庭での栽培のコツは、こちらの2つです。
- 鉢植えで成育を抑制する
- 子供やペットが触れない場所に置く
ざっくりいうと地植えではなく、鉢植えで育てたほうがベターです。
鉢植えで成育を抑制する
庭に地植えすると、より長くツルが伸びてしまい、収拾がつかなくなります……。
それを防ぐには鉢(プランター)に植えて、小型のラティスにつるを這わせるくらいが適当。
つるの長さや株の大きさもコントロールしやすく、他の植物の日照を遮る恐れもありません。
また、不要になった場合も処分しやすいという利点もあります。
こちらの動画では、地面に置いた鉢植えのトケイソウのツルがベランダまで届いた様子がご覧になれます。
鉢植えといえど安心せず、定期的な剪定が必要なのは言うまでもありません。
子供やペットが触れない場所に置く
大量に接種しなければ危険性は低いとは言え、子供やペットが触れる場所に置くのは心配。
子供は葉っぱをちぎって口に入れますし、犬や猫がかじってしまうことだって有り得ますから。
その点、鉢植えで育てれば、なるべく小さな子供やペットが近づかない場所に隔離することが可能です。
庭に地植えをして大繁殖させず、こじんまりと育てるのが安心ですね。
まとめ
トケイソウを植えてはいけない説の根拠は
- 繁殖力が旺盛だから
- 他の植物を枯らすから
- 毒を持っているから
という3つでした。
しかし、どれも人間の知恵を持ってすればコントロール可能。
ツルがガンガン伸びるのも、考えようによってはメリットにもなります。
真夏の強烈な日差しを遮るグリーンカーテン代わりになったり、ベランダや庭の目隠しになったり……などなど。
それにトケイソウの花はまだまだ珍しく、開花すると近所の人からも注目を集めます。
ちょっと変わった花が彩りに欲しい人は、十分に気をつけつつチャレンジしてみてください。
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