先日、京都に旅行に行こうとガイドブックを見ていると、小正月の行事が載っていました。
小正月と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?
私もそうですが、お正月じゃなくて小正月?と、ピンとこない方もたくさんいらっしゃるかと思います。
そこで、小正月とはいったいどういうもので、2022年はいつなのか、小正月の意味や由来について、気になったので調べてみました!
2022年の小正月はいつ?
2022年の小正月は1月15日(土曜日)です。
「1月15日」という日付は固定されているので、来年再来年も一緒ですよ。
1月14日から16日までの3日間とされることもありますが、一般的には毎年1月15日だけを「小正月」と呼んでいます。
私たちが「お正月」と呼んでいるものは、正確には「大正月(おおしょうがつ)」と言って、元日の当日だけを指したり、元日の1月1日からの7日間を指したりします。
現在では、元旦のあるお正月だけをお祝いすることがほとんど。
しかし、昔は小正月(こしょうがつ)の方が重んじられていたといいますから、現在とは大違いですね!
小正月が1月15日になった由来
ではなぜ小正月が1月15日なのか、気になりますよね!
日本では古来から「月の満ち欠け」を暦の基準にしていて、満月から次の満月までの間を一カ月と決めていました。
昔の人は、満月をおめでたいものだと考えていたようで、一年で「最初の満月の日」を元日と呼んでいたのです。
昔の暦「太陰太陽暦」ではちょうど毎月15日が満月に当たるため、1月15日の満月が一年で最初の満月に当たるわけです。
このような理由で1月15日が「小正月」に決められたわけですね!
小正月の意味は?
大正月が年神様を迎える日なのに対し、小正月には
- 家族の健康を祈る家庭的な行事
- 豊作祈願のための行事
という意味があります。
諸説ありますが、小正月は、
- 七草がゆをお祝いする「七日正月」(なのかしょうがつ)
- 十五日の「小豆正月」(あずきしょうがつ)
- 二十日の「骨正月」(ほねしょうがつ)
まで続きます。
また、小正月は「女正月」とも呼ばれています。
年の暮れから大正月に家事などで忙しかった女性の休息日との意味がこめられているんですね。
月明かりで日を数えていた昔の人たちは、月がまだ細くて暗い朔日(ついたち)のお正月よりも、明るい満月が浮かび上がる小正月を
「お正月さま(新年)がいらっしゃった」
と喜び、めでたい事だとしていました。
私たちよりずっと敏感に、月の光や季節の移り変わりを肌で感じとっていたのかもしれませんね。
【京都の三十三間堂で行われる通し矢は小正月の風物詩】
外国人にも「美しい!」と評判です★
小正月に行われる4つの行事
小正月に行われる行事はこんなに様々な種類があります。
- どんど焼き
- 粥占い
- もち花飾り
- 鳥追い
秋田のなまはげは昔(江戸時代)は小正月に行われていたそうですが、現在は大晦日に移行したそうです。
ではそれぞれを個別に解説していきましょう。
どんど焼き
どんど焼きとは、川原や田んぼなどに竹や笹などを積み上げたものに火をつけて、一年間の無病息災を願うものです。
このどんど焼きでお餅を焼いて食べると、一年間健康で過ごせると言われています。
一般的にはどんど焼きの名称で知られていますが、地域によっては
- 「左義長」
- 「あわんとり」
- 「サイト焼き」
- 「おねび焼き」
など、かぞえきれないほどのバリエーションがあります。(行事の内容自体はほぼ一緒ですが)
粥占い
小正月は、昔から小豆粥を食べることから「小豆正月」とも呼ばれています。
それくらい小正月は「小豆」と関係性が深いのですが、この小豆粥を神様に献ずるときに行われるのが「粥占い」。
この占いで分かるのはその年の1ヶ月毎の天候や作物別の豊凶(豊作になるか、凶作になるか)。
もともとは中国から使わったもので、昔は村落でも行われていましたが、いまでは神社で神事として行われるのみとなっています。
神社の鳥居などが朱色に塗られているように、昔の人たちは小豆の朱色が邪気を祓うと考えていました。
そんな理由から小豆粥には、白いお粥に柔らかく炊いた小豆をちらして食べ、また一年健康で幸せに過ごせるようにとの思いが込められています。
『土佐日記』や『枕草子』にも出てきますが、白いお粥に朱色の小豆、「いとをかし」ですよね。
もち花飾り
餅や団子を白膠木(ぬるで)・榎(えのき)・柳の枝につけたものを「餅花飾り」といいます。
これを神棚に供えたりして、一年の五穀豊穣を祈ります。
しかし、日本全国で行われているわけではなく、長野・岐阜・鹿児島・香川など一部の地域のみです。
鳥追い
鳥追いとは、田畑の農作物を食い荒らす鳥を「追い払う意味」を込めた行事のこと。
小正月の1月14~15日に子供が鳥追い歌を歌いながら、鳥追い棒で鳥を追い払う様子を演じてみせます。
茨城県では「鳥追い祭」が行われ、その舞台となる鳥追い小屋が作られるそうです。
まとめ
2022年の小正月についてお伝えしてきました。
私の住む地域では、小正月のどんど焼きが、子どもの頃からずっと続いており、この時期の田舎の風物詩です。
冬の早朝、まだ真っ暗で凍えそうなほど寒い中、子どもたちは空きカンをガラガラと引きずりながら町内を元気に歩き、どんど火を知らせます。
高く燃え上がる炎に、パチパチと竹のはじける大きな音が川原に響きわたると、一気に体が温まります。
どんどの火で焼いたお餅を食べたり、地域の方が作ってくれたおしるこや豚汁をいただくのが毎年楽しみなんです。
小豆粥も食べると、さらに日本らしい趣のある1日を過ごせるかもしれませんね!
日本の季節はまだまだ奥が深いです。
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